マンデンのハウス
惑星編で、サイン／ハウス／惑星の関係について、簡単に話した。くり返さない。
マンデンを読むときに、個人のチャートと一番異なるのは、このハウスであろう。というのは、惑星の示す事柄は、個人でもよく活用するものだが、ハウスに関してマンデン関連の意味はほとんど使わないからだ。
したがって、学ぶときの要は、ここにあるかもしれない。
- 第１室：個人のチャートならその人自身の個性や身体的な特徴だが、国の個性や特徴は、主権者が持っている。ASCでもやったように、主権者だ。国王がいても、立憲君主制で主権者が国民なら、国民を示す。主権者の環境を表示するものとして、読めばよい。
- 第２室：個人ならば所有物やお金にからむが、国のチャートではずばり財政状態を表示する。税制、金融政策全般などである。
- 第３室：個人ならば初等教育や短期旅行などを示すが、国のチャートでもやはり初等教育の環境・政策を示している。また、通信・情報・流通・貿易も対象。
- 第４室：個人ならばその人の立脚する家庭などを示すが、国のチャートで立脚するものは国土。国土や領土の環境を示す。第４室関連がよくない場合、災害や戦争などの国土破壊がなんらかの形で起きやすい。
- 第５室：個人ならば恋愛・趣味・遊び・出産を示すが、国のチャートでも出生率を示す。また、穀物などの生産高にも関係する。
- 第６室：個人ならば健康状態や勤労・義務などを示すが、国のチャートでも雇用状態などを示す。また、国の健康状態（強さ）ということで、軍事関連を表示することがある。ここを刺激されると、戦争につながることが往々にしてある。
- 第７室：第１室との対比で、その国のパートナーを示す。この場合、国が抱える問題があれば、その問題の当事者や同盟国を示す。日本ならば、アメリカ合衆国がよく表示されることになる。
- 第８室：個人ならばセックスや死亡に関連するが、国でも死亡率を表す。また、第２室との対比で、外国との借款関係なども入る。貿易に絡む国家的な金銭状態や、株価などを、やはり第２室との対比で示す。第２室が国内経済に対して、第８室は投機や国外との経済を示す、と読める。
- 第９室：第３室との対比で、国の高等教育の状態を示す。また、宗教や思想の環境を示している。司法もここで表示する。
- 第１０室：個人ならば「その人の目標や最高の到達点」を示すが、国ならば「その国の最高のもの＝権力をふるっているもの＝政府」を表す。政府機関そのものでもあるし、政府で一番力のある人物ともいえる。
- 第１１室：個人ならば理想などを示すが、ここでは政党や議会を示す。本来、政党などはある理想を実現するために集まるものであるし、個人チャートのサークル活動などにも対応されるもの。
議会の他に、第１０室より２番目のハウスということで、単純に国庫が豊かどうかは、ここに表示されることがある。- 第１２室：個人チャートなら秘密や敵や嫌なことであるが、国家も同様である。つまり、敵・スパイ・テロ活動・裏社会・陰謀などが入る。第６室（軍事）と対比して考えるとよい。
応用は十分にきく。個人のチャートの基礎がしっかり固まっている人は、きちんとわかるはずである。